今日の内容はあまりアカデミーとは関係ないのですが、少々お付き合いください。
皆さんご存知の通り、私が20代前半の5年間、今は錦織がトレーニングしているIMGスポーツアカデミー（元ニックボロテリーテニスアカデミー）に務めていました。
アガシやサンプラス、セレスやクーリエとあげて行けばきりがないのですが、本当に多くのトップ選手を輩出したアカデミーです。
その頃は短期キャンプも長期留学にも、多くの日本人が来ていました。子供たちが親元を離れ、日本を離れて全く異なる言語、文化、そして高いテニスレベルでの生き残りは、とても過酷なものです。ですから私は指導者と、立場が違うにしても、皆全員が今でもつながっている関係になりました。
ついこの前、あるメールが来ました。その時の一人の生徒が皆に宛ててテル（これも元生徒）がくも膜下出血で倒れた。回復は彼の気力次第だから、皆で見舞いに行って勇気付けてやろう！と。
いつも忙しくしている皆からも、転送を通じて次々に見舞いに行く予定を立てていることを知らされました。遠い者など帰国次第や、新幹線でなどもあります。改めて強い絆を感じました。
昨日は台風が来て、特に風がすごかったですね！でも私は祭日だったので、アカデミーがないことをいいことにして、早々とノアを出て彼の病院に行きました。
本当は23日に行くと彼の親に伝えてあったのですが、何があるか分からない。行ける時に行った方がいいと思ったからです。
母親が看病にいましたが、突然の面会に驚かれてしまいました！
彼は見え、聞こえ、理解できるのですが、話すことはできません。また体が自由に動きません。始終私の話や私と母親の会話を聞くことだけでしたが、母親いわく、嬉しいから興奮して体が震えてる、でした。
帰る前に、手をかせ、握手だ！と手を取ったらしっかり握り返して来た。大丈夫だ、と根拠はなきにしもそう思い、言いました。
おい、もう俺はお前のコーチではないけれど、お前に命令する。お前には素敵な家族、仲間がいて皆応援している。お前は今頑張っているけど、これからも頑張り続けて急がなくていいから絶対に良くなれ。そしてまた皆で会うぞ。いつも一緒だとうるさいけど、皆で会う時にはお前の存在が必要だ。あと俺はお前の家族をまだ紹介されていないから良くなって紹介しろ。
母親が玄関先まで送ってくれました。そして言ってくれました。私には分かるんですけどテルはすごく喜んでいました。お忙しのは分かりますが、是非また来てあげてください。でも皆さんテニスの人たちは個性的でいい人たちですね。テルは本当に幸せです。個性的で…？ 皆でなく私のこと…？
以前からブログの書いている仲間、伝統、歴史とはこういう絆のことです。ノアのアカデミーもこういった、いつまでも続く、そして助け合える仲間になって欲しいものです。